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主要研究テーマ

新興国における経済システムの比較制度分析

 新興国の成長過程は,経済規模の決定に人口規模が大きな影響を与える時代の再来を示唆します。人口規模が経済規模と直結する形で近年その発展が注目されるようになっているロシア・中国・インド等、そして南アジア・アフリカ諸国等の新興国の統合的な理解のためには、検討対象国経済の市場構造と、それを支える制度や組織をより正確に把握することが必要です。一口に新興国といっても、その経済発展度・制度設計は様々であり、未だ相対的に所得水準の低い地域が存在します。より広範な制度・組織の把握のためには、その内情に踏み込んだ調査研究を欠かすことは出来ません。そして所得水準の低い新興国における現状を打破するためには、適切に設計された開発政策を着実に実行することが不可欠となります。しかしながらロシアや中国等の注目される新興国のうちかつて社会主義経済国であった国々では、情報の獲得可能性が制度的・法的に制限される場合があります。そうした地域を対象とする分析では、公的統計ではあまりにも情報の欠如が大きく、独自データの利用が必須の条件となる。そしてまた、新興国として注目される国ではあっても、インド・東南アジア・アフリカ諸国といった地域では、現地公的統計収集機関の情報捕捉能力に問題が無いとは言えません。
 
 そこで本プロジェクトは、(1)独自の家計調査等に基づく新たなデータを構築すると共にそれと並行して歴史資料の整備をすすめる;(2)これらのデータを用いて歴史的発展経緯を踏まえた分析を行い、新興国においてそれぞれの経済社会制度が採択されてきた理由やその外生的条件の検討を実施する;(3)このような実証分析を、複数時点・複数国に関して統一的な分析枠組みのもとに実施し,それらを比較することにより,新興国それぞれの特異性,あるいは各国横断的に共通する要因の抽出を図る、という接近を行います。なお、ここで言う「新興国」には、かつての新興国としての米国経済や日本経済の歴史的発展過程に関する分析が、現今の新興国の現状分析に示唆を与え得る重要な比較対象として含まれることは言うまでもありません。そうした観点は、比較制度分析・比較経済発展論という接近方法から欠くことの出来ないものです。
 

アジア・アフリカ低所得国における経済発展と制度

 近年、開発途上国における貧困削減が地球的課題となっていますが、その実現のためには、低所得国経済の市場構造とそれを支える制度や組織をより正確に把握 し、適切に設計された開発政策を着実に実行することが不可欠です。ただし、これらの制度・組織について実証的に分析するためには、既存のデータからは得られない詳細な情報が不可欠となるため、低所得国途上国に関する研究の蓄積は不十分なのが現状です。そこで本研究は、(1)データの構築;(2)データに基づく実証分析;(3)国際比較、という研究戦略で進めています。

日本およびアジアの金融システム・企業システム

 これまでにCEI が蓄積した日本およびアジアの金融システム・企業システムに関する研究成果とデータベースを拡張し、経済発展の長期的過程の中に実証分析の結果を位置づけることを目指します。具体的には、「大株主・役員情報データベース」の完成・公開、日本・アジア企業の所有構造とパフォーマンスに関する実証分析、制度と生産組織に関する詳細な史資料の発掘・整理・公開、アジア長期経済統計データなど国民所得統計の枠組みに基づいたマクロデータも用いた長期経済成長に関する実証的・比較史的分析などを行います。